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モカジャバをジャバジャバ

世間の出来事のうちのごく一部について、周回遅れで書くブログです。基本的にはゲームのブログではあります。

記事カテゴリから、ゲームタイトル毎の投稿を絞り込む事ができます。
基本的にはネタバレを気にしていませんので、その辺りが気になる方の閲覧はお勧めいたしかねます。
また、記事内にいい加減なCSSを使用する場合がございますので、パソコン以外からの閲覧もあまり得策とは思えません。

「カクヨム」で読んでみた。 ファンタジー&SF編-2選 パート2

面白かった作品の感想をその場の勢いと思い付きで書いてきましたが、ついに記事のタイトルのネタが無くなりました。
以前の記事と丸かぶりだ。
(「カクヨム」で読んでみた。 ファンタジー&SF編-2選 - モカジャバをジャバジャバ)

雨が降るもので肌寒い気がしたら意外と暑くて大層困る日々が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

穏やかな終末に、一杯の葡萄酒を。  作者:北村砲塔


奇病がはびこり、文明は途絶え、人類がゆるやかに滅びゆく世界で、狩猟の女神と共に旅をする少年のファンタジー。

ポエティックな文章が鼻につくところがありつつも、圧倒的に穏やかな時の流れと根底に漂い続ける退廃的な雰囲気がとても良く、滅亡途中の世界が妙に優しかったりして、細かい事はまあどうでも良いかな、という気になってしまう作品です。

キノの旅”とか、”イリヤの空、UFOの夏”とか言われてピンと来る人は楽しめるかと思います。そういう、2000年初頭の雰囲気があってよく出来ている。
「現代のweb小説でこんなのが読めるとは」という気持ちになれます。

死者、インゴルヌカにて  作者:富士普楽


科学と不思議によって死者が蘇り、道ゆく人の生死の境がほとんど無くなったような街で、死んだはずの父親と死んだ事のない娘が再会して十三年分の家族団欒をやるSF。

造語とルビがバリバリ飛び交い、多国籍言語が横行する薄暗い都市が舞台です。
出だしからして、好きな人にはもう辛抱たまらん感じです。
少し引用します。

 ワイトのレシピはごく単純。材料、下ごしらえ、そして仕上げの三段階。

 材料――出来るだけ綺麗で、新鮮な死体。
 下ごしらえ――じっくり薬漬け。使うのは奇跡の妙薬、〝還死作動剤(アンザナテジック)〟。

 仕上げ――これが一番厄介。筋骨から頭脳まで兼ねる〝死霊回路(フィラメント)〟を植え付けて、人工知能(ゴースト)を組み込んで、目的に合わせたモジュールを入れる(プラグイン)。

 これが死体活性技術(ボディリブート)だ。

こりゃもうたまんねーな!
と、思う人には割とオススメしたいです。
「なんか難しそうだからいいや……」と思う人には、思うほど難しい話じゃないからとりあえず読んでみたらどうか、とオススメしたいです。
というのも、全体のステータス配分としては結構ストーリ&エンタメに偏っており、それっぽい造語たちはあくまでそれっぽい雰囲気を作るための立役者、といった塩梅なのです。
なので、ガチガチのハードな奴を期待している人には物足りないかも知れません。
私は味付けさえそれっぽければ美味しく食べられるほうなので、むしろ大好物と言っても良いかも知れません。

屍者の帝国”か?とお思いの方には、雰囲気はかなり近いのですが話の方向性は全然違うのでご安心頂きたい。インゴルヌカという都市の特殊性と閉鎖性が強調されつつ、話も街の中だけで完結している点で強く差別化されているように思います。ただし、出だしの雰囲気はかなり近いです。

敢えて難点を挙げるとすれば、主人公がちゃんと役に立っている割には影が薄すぎる事でしょうか。主人公、ゾンビじゃなくても別によくね?とすら思うのですが、そこはモータルであるミリヤちゃん以外の視点から外の世界を描いて舞台を引き立たせ、ひいては「インゴルヌカの中だから起こった父娘の物語」を彩るために必要だったのかな、とか。

あと、各話タイトルに1話の文字数を書いてくれているのは親切なのですが、個人的には割と邪魔に感じます。タイトルが結構世界観たっぷりで良い感じなので……文字数表記なしに戻されないかな……。

ええいこの作者もニンジャヘッズか。