モカジャバをジャバジャバ

世間の出来事のうちのごく一部について、周回遅れで書くブログです。基本的にはゲームのブログではあります。

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悔しいけど下セカ観ちゃうっ……!

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変なアニメ始まるらしいぜ → 観る → バッカだなあwww → こいつぁSMだぜ
今、この辺です。
こいつは何か思った以上にSM (少し未来) ネタが面白いです。下ネタという概念が存在しない退屈な世界 4話、アンナ先輩の大暴走によって健全な青少年の色んな所が盛り上がっているようですが、SM的にも盛り上がって参りました。
個人的にはサイバーパンクの次くらいにディストピアネタが好きなんで、そのあたりの趣味にビンビン来てます。そのあたりの感想をぶちまけます。

下ネタという概念が存在しない退屈な世界を実現するために必要な技術

「公序良俗健全育成法」 の運用にあたって、必ず必要とされる物。
それは、精度の高い音声認識システムです。

下セカは、ここをまずしっかり押さえている。
エロい。

アニメ1話、電車で痴漢冤罪をふっかけられたゴリ先輩救出のために、たぬ吉くんが取った行動を思い返してみましょう。
制服のジャケットを脱ぐタオルを頭に巻くPMに向かって 「最寄り駅、見取り図」 と囁くPMが検索結果を表示する
つまり、PMとは小さな音でもしっかり拾って音声の意味を認識できる物、という事です。
ほんの一瞬のシーンですが、ここが実にエロい。
この一瞬で、PMの機能を端的に紹介している訳です。
実際、1話で 「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」 がどんな物か分かったあとにこのシーンを思い出し、ちょっと感心してしまったSFファンがぼちぼち居るのではないでしょうか。

また、電車が駅に入っていないにもかかわらず 「最寄り駅」 という曖昧な単語で適切な情報を導き出せる事から、PMはリアルタイムの位置情報取得をも高い精度で実現している事が分かります。
それから、PM本体の機能では無いかと思いますが
余計な検索候補を出さずに一発で該当する駅の見取り図を表示した事から、おそらく検索アルゴリズムも結構進歩しているハズです。

つまり、下ネタ以下略な世界は

  • 卑猥な単語を検知するための、高精度な音声認識システム
  • 卑猥な行動を行った者の所在を即座に突き止める、リアルタイムの位置情報取得技術
  • 検知した単語が卑猥であるかどうかを一発で判断できる、高度な検索アルゴリズム

に基いて作られていると考える事ができるでしょう。
こいつぁ実にSMらしいじゃないですか!

あと、PMの映像投影技術がどうやって実現されているのかについてはイマイチ分からないあたり、SFではなくSMっぽいな、と思います。そこは詳しく考えるまい。


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尚、このゴリ先輩救出劇については、PMの写真撮影機能も登場しており非常に見どころの多いシーンとなっています。
腕輪型デバイス上の1点を指で押さえ、もう1点を指で押さえるようにすると 「シャッターを切る」 というアクションが実行される、というのは、RingやNODといった現存のウェアラブルデバイスの動作と照らしあわせてみると興味深い物があります。
私の想像ですが、作者は結構その辺調べて書いてるんじゃないかな。

アニメしか観てませんが、原作ではその辺も結構触れられてたりするんですかね。しかし、気にはなるけど、文字で 「おちんぽぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」 を読む気にはなれない。

ディストピア物としての下セカ、あるいはウェアラブルデバイスの未来

ここまで大分好き勝手に書いていますが、なんか下セカについて検索してこのブログに辿り着いた方は大丈夫でしょうか。ここまで我慢強く読んで下さった方が居れば嬉しいです。いやむしろ下セカ読者の方々にとってはこんな話は当たり前の事なのかも知れませんね。

まあつまり、PMひとつ取ってもしっかりSMしてる作品なんじゃないかと考える事ができる訳ですが、この作品のSM度を更に高めるのがアンナ先輩と黒子早乙女先輩です。

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まずアンナ先輩。
こちらは4話で完全にブッ飛んじゃって、ディストピアの末路を見事に体現してくれた訳ですが、この話のこじつけ方が全くもってエロい。
”卑猥”の何たるかを知らず、それ故に変態仮面華城先輩をドン引きさせるほどの強烈な問題行動を起こすアンナ先輩。
全男子悶絶の超絶卑猥行動を取りながら、一方校内では過剰な取り締まりを行いハエちゃんの処分という見当違いな卑猥対策を行うアンナ先輩。

この一連の暴走劇によって 「この作品が小学生みたいな下ネタを連発するのはしょうがないんだよねーそこがテーマだからさ!」 というのを実現してしまった訳です。
そして同時に、この作品では下ネタだけに留まらず、エロシーンを書けば描くほど社会の歪みが浮き彫りになるという、恐ろしい領域に到達しました。
これで作者は何の遠慮も呵責もなくエロシーンだの下ネタだのを連発する大義名分を見事に獲得したのです。
ストーリー進行における、最強のwin-win体制が実現されてしまった事になります。

あと、まずはエロヤバいシーンを散々見せておいて、最後にCパートで不破先輩とアンナ先輩の対話により、改めてその実情を暴く展開。これも、意味怖的な演出として、またしっかりとエロシーンに理由をつけるための流れとして、何ともエロいです。
やはり、ディストピアといえば歪んでしまった価値観、そしてそれに基づく意味怖、というのは外せない要素ですからね。
今後この世界観の歪み、違和感といった物が極地に達する瞬間を期待しています。
いやむしろ4話で達した気もする。

昨今、ここまで真面目にエロシーンへの理由付けを行ってきたラノベがあったでしょうか?あったのかも知れませんが、私は知らない。

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それから4話で第二に注目すべき、早乙女先輩。
3話あたりからちょくちょく触れられてきたPMのおそるべき機能、 「ジェスチャーのトレース」 について。
卑猥な絵を描いたらアウトというのは、ちょっと想像を絶するレベルでの精度です。

とはいえこの機能、ただ卑猥を検知するためだけの物ではなく、PMの操作性と密接に関連している所がポイントです。
PMとは、音声と動作で入力を行うデバイスなのです。

前述のとおり、PMには優れた音声認識GPSの機能が備わっていますが、もしジェスチャー検知機能がなければPMはただの携帯腕電話といったところでしょう。ジェスチャーの検知が可能だからこそPMを使ってメールだブラウジングだと色々できる訳です。
そして、色んな事ができるからこそ常時着用が実現し、主要端末として普及したと考える事ができます。だってただの電話を常時着用しろって言われたらジャマなだけじゃないですか。でも、パソコンであり携帯でありタブレットでもある、そんなデバイスだったらどうでしょう?着用しちゃいますよ。

もっとシンプルに考えてみましょう。
スマホから画面を取っ払い、パソコンからディスプレイを排除し、宙にGUIを投影できるようになったとしたら。
次に必要になるのはそれをどこでも操作できるようにするためのジェスチャー検知です。
あるいは、普通に現行のウェアラブルデバイスが進歩していき指先一つでパソコンも家電も何でも操作できるようになったら。
その時には必ずジェスチャーを細かく測定する技術が実装されている必要があります。
ジェスチャーを精密に測定する技術が実装された世界、そこは、卑猥なイラストを描く事が筒抜けの世界です。
そしてそんな世界は、今現在の技術の延長線上にある。
なんだか急に、下セカが現実味を帯びて迫って来るようではありませんか。

エロシーンの理由付けに留まらない、作品全般の設定に対する必然性の作り方に感心させられてしまいます。
そんな訳で、なんか妙に面白いです。下セカ。

でもやっぱり文字で 「おちんぽぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」 は無理だな。