モカジャバをジャバジャバ

世間の出来事のうちのごく一部について、周回遅れで書くブログです。基本的にはゲームのブログではあります。

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「カクヨム」で読んでみた。 ファンタジー&SF編-2選

いきなり暑いですね。
スーツをクリーニングに出さなくては……。

面白い作品を読むと、何か色々言いたくなります。
短編や完結済みの作品を中心に、だらだらと読み漁った感想、第二弾です。

何回ガチャを引いてもレアが出ないから腹いせに書いたファンタジー 作者:槻影

ソーシャルゲームでガチャ爆死した主人公が、逆に異世界からガチャで召喚されてしまい、ガチャを回す能力で俺TUEEEするファンタジー作品。

ではなく

「魔法石」を触媒として魔物を召喚・使役する、召喚魔導師という職業が存在するファンタジー世界で、何度召喚しても最低最弱のスライムしか呼び出せない男の一生の物語。


これ、とてつもなく設定が良いです。

特に”魔法石”については、名前が既に反則級ではありますが、「召喚魔導師学校に入学すると魔法石が1つもらえる」とか「学校を主席で卒業すると魔導石が5個もらえる」とか、いちいちズルい。そんなん笑ってまうやん。

あなたはなぜパズドラにハマったのか? ソーシャルゲームの作り手が明かす舞台裏

あなたはなぜパズドラにハマったのか? ソーシャルゲームの作り手が明かす舞台裏

入学記念でもらった魔法石で、最弱のスライムを引いてしまう主人公。
しかし、幼い頃、従兄弟が目の前で召喚したSSRクラスのドラゴンの記憶が主人公を突き動かす!ドラゴンを引きたいと!ありとあらゆる手段で金を集めて魔法石を買い漁り、ガチャを回し続ける主人公!やがてその欲望は変貌し、いつしか目的と手段が倒錯を起こす!今や主人公の望みはただひとつ、「ガチャを回したい」

みたいな。

あらゆる成果と幸運と栄光を手にしながら、ガチャの当たり以外は全て無価値と断じて修羅の道をつき進む、主人公の熱い課金兵っぷりを楽しむもよし。

これまで誰も気にした事がないから気付かれなかった摂理、というニッチな領分に踏み込み続け、人類未開の世界をひたすら踏破していく主人公の隙間産業っぷりを楽しむもよし。
ほとんどセリフらしいセリフもなく、地の文のみで淡々と話が進むさまも、主人公の世俗に対する無関心さを引き立てて素晴らしい。

ランキング1位は伊達ではありません。
読んでる間に完結しました。

黄昏のブッシャリオン 作者:碌星らせん

この作品を読んだ者は
 「スタイリッシュ罰当たりハードコア」
 「面白すぎて入滅りそう」
 「誰も見たことがないサイバーボンズパンク!」
などと意味不明な発言を繰り返しており、当局では薬物検査を含めた慎重な検証を行っていく事を明らかにしております。

ええと、何と言ったら良いのかな
功徳をエネルギーに変換する技術を手に入れた人類が徳エネルギーにより大きな進歩を遂げる。しかし或る日、世界中の徳が高まりすぎたため、徳がメルトダウンを起こして世界規模の大量成仏が発生、栄華を極めた徳エネルギー文明は一夜にして崩壊し、荒野に遺された人類は徳なき時代をたくましく生き延びていた――

みたいな、世界崩壊後の世界を描くSFです。

何を言っているか分からんでしょうが、そういう感じです。
そういう感じで、めちゃくちゃ面白いです。
特に、徳エネルギーを回転エネルギーに変換する逆マニ車とかいう概念が出てくるあたりから、仏舎利を内蔵する事で半永久的に徳エネルギーを獲得しながら稼働する事を可能とした舎利ボーグとかいう話が出てくるあたりは腹筋崩壊必至です。

濃密なニンジャアトモスフィアを漂わせながら、ただの忍殺フォロワーの域には収まらず圧倒的なオリジナリティを蓮華のごとく開花させながら今も進歩を続ける良作です。
完結した作品ではありませんが、ダラダラと追いかけていきたいと思います。

そういえば、2~3年前に作者をはてなブログを見かけた事がありました。
kantake.hatenablog.com