機龍警察を読んだ。
先月のメガテンくじでは結局、私が腰を上げる前に御霊ストラップが品切れになるというアクシデントに見舞われましたが、とりあえずヌエを一体お迎えしておきました。
それでも、発売日の夕方にはコンビニに行ったんだけどな。
ちなみにその翌日には既に全ての景品が完売していたらしく、売り場自体が跡形もなく撤去されており、そもそもメガテンくじなどと言うものは夢だったのではないかと思いかけたところで卓上のヌエの視線に気づいて、やはりあれは現実だったのだなと思う、そんな不思議な気分を味わっています。まさに狐に摘まれたような気分です。
さて、真4もwaywardもすっかり放り出して、別の遊びに興じていたりします。
別の遊び、というか別のゲームですが。
それについてはまた紹介したいなと思いつつ、今は遊ぶほうで手一杯なので、いずれまた。
とはいえあまりブログを放置するのも勿体無いので、最近読んだ本の話でも書いておきます。
- 作者: 月村了衛
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/03/19
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そんな訳で、機龍警察を読みました。
このSF、とかこのミスあたりで取り上げられていたようなのですが、今更読みました。
この本に関して語る際に ”パトレイバー” がよく引き合いに出されて居るようなので、あえてその語を使わずにざっくり言うと、超性能レイバーとそれを扱う警察内の特殊部隊 VS 正体不明のヤバイ敵、といったところでしょうか。
結局パトレイバーを連想せずには居れませんでした。
ただ、この本に関してはそのSF的なギミックやパトレイバー云々よりも、二人組というものの存在が非常に印象的でした。
二人組。
共通項を持ちながらもどこかで対照的な要素を持つ二人組、という物が次々に登場します。
元ヤンキー(?)が改心した現優男、由起谷と、柔道少年から熱血漢にまっすぐ育った夏川の有能捜査主任二人組とか。
どちらも理想と信念を持ちながら革新派の城木と保守派の宮近、幹部二人組とか。
傭兵稼業で諸国の戦場を渡り歩きながら兄弟愛を深め続けていた、富国、富徳の二人とか。
テロで家族全員を失った緑と、元テロリストのライザとか。
あとは、自由奔放の姿と生真面目一直線のユーリですかね。
ざっと思い返しただけでも5組10人の ”二人組” が登場していました。
しかも、それぞれの二人組を中心に描かれるエピソードが各一章分、アニメでいえば一話分くらい、断続的に挿入されます。
これはもう、SFとかミステリとかそういう区分ではなく 「ツーマンセル小説」 とでも呼ぶべきものではないかと思うくらい、二人組の話が多いです。
(調べてみると、作者はアニメの脚本を担当していらっしゃった方のようなので 「小説全体をアニメ化するとしたらここまでで一話分」 みたいなものが薄っすら見えるようなのも頷けます)
その中でも特に印象的だったのが、緑とライザのテロリズム組。
お互いが、お互いにとっての整備担当および運用担当は 「こいつしか居ない」 と思いながらも、内心に忸怩たる思いを抱えて尚且つ任務を見事に遂行するなんてなんかこう…なんだ…萌えるじゃないですか。
ここはもっと掘り下げていただきたいですね。
続編があるようなので、そちらに期待です。
印象が薄いのが、姿とユーリ。
二人とも、レイバー (じゃなくて本作ではドラグーン) のメインパイロット、という主役級ポジションながら、この二人のエピソードはあまり印象に残っていません。
二人の対比は作品冒頭から執拗に描かれているのですが…。
あえて言うなら、フォン・コーポレーションに二人で乗り込むシーンが二人の専用エピソードにあたるのかも知れませんが、他のエピソードに比較すると薄い感じがしますね。
逆に、姿&ユーリ以外のエピソードは、短い章の間にそれぞれのキャラクターの背景とか葛藤、その葛藤の一時的な決着くらいまでを上手く盛り込んであるのが凄いのですが。
この小説は、二人組の各々の物語をまず配置して、その合間に世界観を説明していくことで、全体の話の流れが出来上がっているのかも知れません。あるいはその逆で、全体の事件の流れの中に、適宜二人組の物語を差し込んでいったのかも。
10人以上に及ぶ、名前のある登場人物をうまく描くために、ツーマンセル体制にしただけかも。10人それぞれの個別エピソードを10話で書くより、2人ずつにまとめれば5話で済みますし。
結局この話の中では、何故か 「三人組」 は成立しないんですよね。
由起谷と夏川の間に、小山 (小川だったっけ?) も岩井さんも入れなかった。
富国、富徳の兄弟と、姿は三兄弟になれなかった。
姿、ユーリ、ライザは三人チームだけど、三人がバラバラな位置に立っているからチームとして行動できている。
何故 「三人組じゃ駄目」 なのかは分かりませんが、このあたりの構図も印象的でした。
どうして二人組でなくてはいけないんだろう。
そんな、徹底したツーマンセル体制の中、あくまで一人立つ沖津さんが印象的でした。
あと、技術部の柴田さんもソロだったな。
今後の柴田さんの活躍に期待せざるを得ません。
SF的な部分としては、ドラグーン (龍機兵) にまつわる用語は、龍骨とか龍髭とかちょっと面白かったのですが、特に印象的ではありませんでした。
あと、ドラグーンのモードチェンジのために、音声コードを使う必要はあったのだろうかという疑問は残りますが、そこだけ妙に格好良かったのでまあそれで良いんだろうなと思います。
エヴァでいうところの 「モード反転。裏コード、ザ・ビースト!」 みたいな。
唯一の欠点は台詞回しがダサいこと (特に、姿の台詞が) だと思いますが、それを差し引いても結構楽しく読めました。
キャラクターも魅力的でしたし、発表媒体が媒体なら、一部界隈では妄想のネタとして大流行する事になったのではないでしょうか。
オッサンから凸凹コンビ、いわゆる百合まで取り揃えてます。凄い。
あと、何故かは分かりませんが、フォン・コーポレーションが登場した時に、社長を孫正義さんでイメージしました。別に毛髪とか携帯電話についての記述は無かったはずなのですが。