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モカジャバをジャバジャバ

世間の出来事のうちのごく一部について、周回遅れで書くブログです。基本的にはゲームのブログではあります。

記事カテゴリから、ゲームタイトル毎の投稿を絞り込む事ができます。
基本的にはネタバレを気にしていませんので、その辺りが気になる方の閲覧はお勧めいたしかねます。
また、記事内にいい加減なCSSを使用する場合がございますので、パソコン以外からの閲覧もあまり得策とは思えません。

「カクヨム」で読んでみた。 SF編-2選 その2

暑いんだか涼しいんだかよく分からない日々が続いていますが、多分涼しいんでしょうね。どうせ毎日スーツなんだから、いちいち気候のことを気にするのはやめる事にしました。

とっくに記事にした気でいたけど実はまだ感想を書いていなかった作品、2作の話です。もう長いことランキングに上がっており話題にもなった作品ばかりですが、ランキング上位に居続けるだけあって非常に面白かったんです。

おとなも楽しめるトランスヒューマンガンマ線バースト童話集  作者: @sanpow

いまはむかし――高度に発達したネットワークと、精神の電子化及び肉体の機械化技術が普及しその気になれば意識ひとつで物体の構成要素に働きかけて自由自在に操り再構成さえ可能にするようになった人類の頭上に、或る日突然ガンマ線が降り注ぐ短篇集。

今のところ公開されているのは 「シンデレラ」 「かぐや姫」 「白雪姫」 の3編。
どこかで聞いたような童話の筋書きに載ったり逸れたりしながら、トランスヒューマニズム的世界観がガンガン展開していき、クライマックスで唐突なガンマ線バーストが起こって地表が焼き尽くされる話です。天丼ネタです。
かつてこんなに壮大な天丼ネタがあったろうか、いや、ない。

多々のSF的ガジェットが矢継ぎ早に (特に説明もなく) 展開されて、ガンマ線バースト等という謎の天文現象によって何だかよく分からない一瞬のうちに滅び去るという、超展開に次ぐ超展開、というかそもそもこれは超展開なのか?みたいな感じなので正直人には薦めにくいんです。
しかし、下手なところのない流れるような文章と、子供の馬鹿げた妄想を大人の力で極限まで突き詰めたような内容は、一軒に値します。

はじめて読んだ時はシンデレラ一遍だけしか公開されておらず、面白くはあるもののそこまで……という印象だったのですが、かぐや姫、白雪姫とネタが続いて天丼化していく事により、特異な面白さを獲得したように思います。
次作の公開が待たれます。
超楽しみ。

横浜駅SF   作者: イスカリオテ湯葉

世界規模の大戦を経て、自己増殖するようになった横浜駅が日本列島を覆い尽くしつつある世界。横浜駅の拡大に抵抗したり、適応したりしながら暮らす人類と、横浜駅の密かな終焉を描いた鉄道 (?) SF中編。

自己増殖し続け日本全土を覆う無秩序な階層化した構造物である、横浜駅横浜駅を通行するために必要だがどういう仕組なのかは既に忘れ去られた謎の電子チップSUICA。3日間だけ横浜駅構内を自由に移動できる特権を示す青春18きっぷ
このあたりまではまだ、なんとか正常に理解できます。
しかし、事はこれだけでは済みません。

横浜駅の機能を守り、SUICAを持たない人間を排除する機能を持つ自律稼働ロボット、自動改札。SUICAを持つ人々が暮らす、横浜駅構内はエキナカと呼ばれ、独自の技術を発達させアンドロイドを生産し横浜駅のネットワークへの介入を試みるJR北海道、砲撃などの物理的手段で横浜駅の増殖に対抗しようとするJR九州、などなど。
我々のよく知る言葉が、横浜駅に覆い尽くされる事によって不気味に変貌を遂げ、意味が通じるような通じないような、微妙な感覚が謎の笑いを引き起こす……この感覚を、私はよく知っています。
そう、酉島伝法の 「皆勤の徒」 です。

これね、もうたまらん。
酉島伝法フリークとしては、もう諸手をあげて褒め称える以外の選択肢がない。
この手の作品が公開される場所として、webは非常に適していると思います。なんというか、普通に小説として出版されるにはあまりに冗談めいていて、ライトノベルとして出版されるのはウケる層が狭すぎる。

そんなニッチな作品が、酉島伝法に続くものが現れたことを私は心から喜びたい。最高です。


敢えて難点を挙げるとすれば、横浜駅に足を踏み入れた事がない人には今ひとつ前提ネタがピンと来ない事でしょうか。
乗り換え案内にしたがって歩いていたはずがヨドバシカメラ店内に居た、現在地が改札内なのかそうではないのか分からない、改札内だと思っていたら商店街が出現しそれを通り抜けたら知らないローカル線の改札に辿り着いた、昨日通った道が今日通れない、昨日はなかった道が出現している……そんな事が日常的に起こりうる、あの横浜駅を知らない人には。