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モカジャバをジャバジャバ

世間の出来事のうちのごく一部について、周回遅れで書くブログです。基本的にはゲームのブログではあります。

記事カテゴリから、ゲームタイトル毎の投稿を絞り込む事ができます。
基本的にはネタバレを気にしていませんので、その辺りが気になる方の閲覧はお勧めいたしかねます。
また、記事内にいい加減なCSSを使用する場合がございますので、パソコン以外からの閲覧もあまり得策とは思えません。

「カクヨム」で読んでみた。 SF短編-2選 その2

夏らしい気候が訪れ、市内には薄着の人たちが何とかかんとか……と言うヒマもなく唐突に世界中で異常な猛暑を記録したりしておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
春、いわゆる年度初めを過ぎて様々な業務が走り始める季節となり、口を開けば仕事と気温の愚痴ばかり。
今日は、そんな荒れ狂った日常をほんのり彩るかも知れない、ハートウォーミング系短編を読んでみた感想です。

ところで、いい加減記事タイトルに限界が生じ始めました。
「その○」 の番号に矛盾を来すのもそう遠くない話かも知れません。

マルゴ・トアフの銀の鳥  作者:朝陽遥

恒星間航行が実現した時代、羽と嘴を持ち己の翼で空を飛ぶ知的生命体と、地球人の航空会社の交流を描いた異文化交流SF。

主人公は、鳥のような生態をもつ異星人として生まれながら、身体的欠陥により空を飛ぶ事ができない青年。地球人との邂逅、そして地球から異星に支社を展開してきた航空会社での勤務を通じて、自身が長年抱えてきたコンプレックスと向き合っていくような話です。

空を飛ぶ種族にとって、航空機などというものは馬鹿げた代物にしか見えないばかりか、自身らの尊厳を非道く傷付ける物に違いないのですが、同時に航空機の輸送力という物は彼ら異種族にも利益を齎していたりします。
中核にある、飛行、または空、という点についてもこんな有り様ですが、他にも、食物や食事、街の作り方、名前の呼び方ひとつ取っても地球人と異星人の間には大きな隔たりがあるのです。そのあたりをしっかり作って、しっかり描いている作品でした。
本当によく書けている。
そして、そういった文化の隔たり一つ一つに対して、丁寧に向き合ってきちんとネタにして消化していく作品でした。なかなか良い。

ひとりぼっちのソユーズ Fly Me to the Moon  作者:七瀬夏扉@ななせなつひ

少年が、ハーフの少女に振り回されながら大人になり、大人になってもまたハーフの少女に振り回される、月面開拓SF。
少年時代編と、大人編の2本立て。

前半の少年時代編は、よくあるツンデレ美少女との出会いと別れを描いた正統派青春ラノベ風ですが、後編になるとグッと話が深いところに行き、人が宇宙で暮らす事になった場合にいずれ直面するであろう事態をぐいぐいと描いていきます。
この後半がかなりの見ものでして、計画外に宇宙で生まれてしまった子供がどうなってしまうのか、また宇宙移民計画がどのように進められていくのか、人が月で暮らそうとしはじめる時にどういう事が必要なのか、そして宇宙飛行士と技術者の次に月に降り立つのは誰か、という所がじっくりと描かれていきます。

正直、読み始めてしばらく、前半には割りと興味が持てませんでした。しかし物語が後編にはいって、主人公が少年時代の体験が元で一連の出来事に深く関わっていくようになると俄然前半も魅力を帯びてくるというか、何かそんな感じでした。

色々とままならない出来事が次々と、しかしもっともらしい説得力をもって降りかかりながら、最後はなんとかそれを乗り越えていく良い話です。途中からどんどん読み進めてしまう系です。良い。



余談ですが、普段こういったハートフルなお話をあまり読みません。
読み物の好みに関して、割りと子供舌なんです。
ストレートに格好良かったり、燃えたりする (好みのツボがまっすぐかどうかはさておき) エンターテイメントが好きなんです。なので、帯に 「心に染みる」 とか 「やさしい気持ちになれる」 とか書いてあって表紙がパステルカラーの本はスルー対象です。全然求めてない。
しかし、webで読もうとすると、そういう事前情報を入手しづらいのでふと手を付けてしまったりして、かつ読み始めたら (よほど文章がお粗末とかでない限り) ある程度は読み進めてしまって、そしたら意外と面白くてそのまま完走してしまったりするのは、何やら面白いですね。