モカジャバをジャバジャバ

世間の出来事のうちのごく一部について、周回遅れで書くブログです。基本的にはゲームのブログではあります。

記事カテゴリから、ゲームタイトル毎の投稿を絞り込む事ができます。
基本的にはネタバレを気にしていませんので、その辺りが気になる方の閲覧はお勧めいたしかねます。
また、記事内にいい加減なCSSを使用する場合がございますので、パソコン以外からの閲覧もあまり得策とは思えません。

「イシスの柩捜し」 が 個人的に面白かったので、少し神話の話をする。 【ネタバレ】

いつの事だったかは忘れてしまいましたが、ラノベ作家の杉井光先生が
『ゲームをやっていてキャラクターの命名に困った時は全部 大豪院邪鬼 にすればいい』
と、仰っていた事を思い出し、今更ながら後悔しています。
サムライ 大豪院邪気にすれば良かった。

さて。最近は、チャレンジクエストを埋めていました。
「イシスの柩捜し」 が、個人的に凄く楽しかったです。
このクエストは、エジプト神話におけるセトとオシリスの話に忠実な内容でして、妙に感動してしまいました。感動ついでに、神話の元ネタをちょっと振り返ってみようかと思います。

セト、怒りの河流し事件

この事件の登場人物は三人です。

 セト :今回の主犯。オシリスとは双子の兄弟で、セトが弟にあたる。
  戦とか砂漠とか暗闇とか混沌とかを司る、割と殺伐とした神様だけどすげー強い。
  そりゃもうすげー強い。オシリスの事がとにもかくにも大嫌い。
 オシリス :今回の被害者。最初から最後まで一言も喋らないのは、
  主人公たちが依頼を受けた時点で死んでいるため。
  農耕や牧畜を人々に教え、善とか正義とかを司る神。セトの双子の兄。
 イシス :今回の依頼主。エジプト神話における最強の魔法使いとか言われちゃう女神。
  オシリスの嫁であり妹。夫の遺体を必死で探す、健気な嫁であり妹。

で、そもそも何故、オシリスさんが流れ着くなどという珍事が起こったかというと諸説ありまして

  • オシリス神が、親戚一同集まっての宴会でセト神の奥さん (ネフティス神) と二人で盛り上がって、一線越えちゃったところを目撃しちゃったもんでセト神ブチ切れ。
  • セト神、めっちゃ頑張った*1のに、結局オシリス神が先に産まれて双子の兄、セト神が双子の弟という事になってしまい、兄であるオシリス神が地上の王とかそういう事になってしまったので嫉妬を募らせ、ついに暗殺決行。

等と、色々ありますが何にせよ
『セト神はオシリス神のことが嫌いだったので亡き者にしようとした』  というお話です。

セト神は 「この立派な棺にぴったり入れるものが居たら、そのものに棺をプレゼントしよう」 と言って神々を集めて、オシリス神が棺に入ったところでババッと蓋をして、そのまま河に投げ込んでしまったそうな。あわれ、オシリス神はそのままナイル河を流れて帰らぬ人に。
この時、オシリス神が主神であったのですが、セト神がその座を奪ったとされています。*2
その棺 (オシリス同封) が、東のミカド国のナラクに流れ着いたらしいので、主人公たちがそれを探しに行く…というのがこのクエストですね。

無事回収されたオシリス。しかし再び惨劇が彼を襲う

本当はイシス神が他の神々に手伝ってもらいながら、一生懸命自力で棺を探すんですけどね。
ともかく、イシスさんは、オシリス神の遺体 (多分、ナイル川を流されてる間にお亡くなりになったんでしょう) を取り返します。そして、復活の儀を行いオシリス神を蘇らさんとするイシスさんですが、セト神がそのまま見過ごすはずもありません。
今度はセト神、イシスさんの目を盗んでオシリス神の遺体をバラバラにしてまた河に流します。河に流したかどうかは私の記憶が定かではありませんが、まあ遺体をバラバラにして遺棄します。
イシスさん、今度もなんとかオシリス神のバラバラ遺体を見つけ出して復元を試みます。一つくらいは、井の頭公園にあったかも知れません。ですが男性的な意味で大事な部分だけは見付からず、そのためオシリス神はきちんと復活できずに冥界行きに。…と、いうのがこのクエストの後で起こる出来事です。
そういえば現在、オシリス神ってナニがついてないままなのでしょうか。
冥界ではその辺、どうでもいいのだろうか。

真4に、息子ホルスの出番はあるのだろうか

その後、オシリス神が冥界へ行く前に、イシス神との間に残した子供がホルス神だそうな。
ホルス神は、主にセト神との間に起こる血みどろの紆余曲折を経て、父オシリスがかつて奪われた主神の座に、息子ホルスが返り咲く!…みたいな中々格好良い物語がある訳ですが、今回、そんなホルスさんに出番があるのかどうかが個人的に非常に気になるところです。
以前の女神転生シリーズで、ホルス神は何度か登場していたはずですが…。

で、何かこういう神話のストーリーにこっそり参加できる、というのは面白いと思います。悪魔から、戦闘中の会話でクエストを受注するというのも (なんか前にもこういう形式のクエストがあった気がしないでもないのですが) 、彼らには彼らなりの事情があるんだな、といった感じで妙に感慨深いです。悪魔の生活感、みたいなものを感じます。
今までの会話って、大体こちらから用があるから話しかける訳であって、彼らが独自に会話目的を持っているというのは、あまり無かった気がしますしね。 (悪魔から勝手に話しかけてくる事はあったけど、命乞い or 気まぐれで声かけてきたって感じだったしなあ)

*1:オシリス神は、母親の産道から生まれ、セト神は子宮をぶち破って母親の脇腹から生まれたそうな。セトさんマジパねえっす。頑張りすぎです

*2:ただし、歴史的には先にセトが崇拝されていて、後からオシリス信仰が流行りだしたため、神話上でオシリスと正反対の属性を持つセトが悪役扱いになってしまった…だとか、色々面白い話もあるようです